ムンバイを歩くバックパッカーにとって、あまりにも有名な「カフェ・レオポルド」。
26日、タージマハル・ホテルやオベロイ・トライデント・ホテルなど、インドのシンボルとも言えるホテルや、ユダヤ人の住むナリマン・ハウスなどが次々と襲われた連続テロ事件。
同じくコラバ地区にあり、やはり外国人が多く集まることからカフェ・レオポルドも標的となり、店内にいた4名の外国人と6名のインド人(うち2名は従業員)が、突然のことに為す術もないまま、凶弾に倒れた。
それからわずか4日後の30日、オーナーのファルザード・ジャハニさんは意を決し、再び重いシャッターを開けた。
もちろん、深く傷ついた心は癒えようはずもない。
しかし「テロリストたちに、勝利は我々の手にあるということを伝えたかった」というジャハニさん。
1871年にオープンしたカフェ・レオポルドは、75年前からジャハニ一家が経営を譲り受けた。
以来、一日も休むことなく、バックパッカーらや地元の人々に、憩いの場所を提供してきた。
しかしそのことが、テロリストらの関心を集めるという皮肉な結果を生んでしまったのだ。
営業を再開した日曜日の朝、常連客や周辺を守っていた警察官、見物人らから、ジャハニさんの勇気に喝さいが集まった。
壁にはまだ、手りゅう弾や銃弾が残した、生々しい傷跡が鮮明に残り、つい数日前の恐怖の瞬間を物語っている。
「テロの醜さを決して忘れず、それに屈しない。私達にできることは、ただそれだけだ」悲しみをいっぱいに湛えた表情で、ジャハニさんはつぶやいた。