インド最大の自動車メーカーであるマルチ・スズキ(Maruti Suzuki)が、庶民に最も親しまれている軽乗用車「800」のディーゼル仕様の新モデルを発表、燃料費の高騰を受けて熱い注目を集めているインドのディーゼル乗用車市場に殴り込みをかけた。
Economic Times紙の報道によると、マルチは今回、親会社のスズキ自動車と共同で新たに2気筒の小型ディーゼル・エンジンを開発、出力40馬力、リッターあたり25~30キロの燃費を実現する、燃料効率の高い待望の新型「800」モデルを発表した。
今回のマルチの努力は、ヒュンダイやタタ・モータースなどの競合社はもちろん、国内の需要に後押しされる形でフォルクスワーゲン、アウディ、メルセデス・ベンツ、日産、トヨタ、三菱などメーカーを問わず次々とディーゼル仕様モデルを発表していることを受けてのもの。
インドではディーゼルがガソリンよりも4割以上価格が安く、燃料効率は3割以上高いとあって、燃費の高騰する中で人気を集めている。
燃料費の上昇を受け、インド国内における5月の乗用車販売台数は過去7カ月で最も落ち込み、前年比わずか2.78%の成長しか見られなかったいっぽうで、ディーゼル燃料の消費は4月と5月で前年比平均8.5%の成長がみられている。
業界団体が発表した予測によると、インド国内で操業する自動車メーカー各社のディーゼル仕様車の生産能力を合計すると、昨年度だけで前年比35%増しの116万台規模に到達しているものとされている。
うちマルチに最も近いライバルであるとされるヒュンダイは、人気車種であるセダン車ヴェルナ(Verna)と小型車アイトゥウェンティ(i20)のディーゼル仕様モデルの生産能力を50%ほど引き上げた。
こうした流れを受け、ネームバリューがあり根強い人気を誇るマルチ・スズキも、イタリアのフィアット(Fiat)社とディーゼル・エンジン供給契約を締結、グルガオンにディーゼル車専用の生産工場の設立を発表し、現時点で年間25万台のディーゼル車生産能力を2013年度までに40万台にまで引き上げるという大きな目標を掲げている。