タミル・ナードゥ州南部マドゥライ近くの町ウシランパッティ(Usilampaatti)で、HIV陽性の女性が売るイドリーやドーサ(南インド地方の主食である米粉の蒸しパン、クレープ)に人気が集まっている。
12月1日付ナブバーラト紙が報じた。
日中は大勢の買い物客で賑わう市場の中心に構えるヴィジャヤラニ(Vijayarani)さんの店には、夜が明けると同時に、客たちが長い列を作り始める。
人々はヴィジャヤラニさんと、協働者でありやはりHIV陽性と診断されたスマティ(Sumathy)さんの病を知っているが、意に介す人は少ない。
1日の世界エイズデーを前に、生まれたばかりの女児を殺害する古い慣習が現代においてもなお残ることで知られるこの町の人たちが、多くの偏見に縁取られがちなHIV患者を自然に受け入れている。
ヴィジャヤラニさんと6歳になる息子がHIV陽性であると診断されたのは6年前のことだ。
数年前に亡くなった夫がHIV患者だった。
その後、再婚していたが、診断結果を知った当時の夫からは離縁された
「最初はどうしたらいいか分からなかったが、HIVやエイズと診断された人々のネットワークであるヴァイガイ(Vaigai)の存在を知り、前向きに生きて行くことの大切さを学びました」ヴィジャヤラニさん。
今後は経済的に自立しつつ、息子と共に治療を受け続けると語る。
ヴィジャヤラニさんの店に並ぶ客のひとりは、「彼女が売る2ルピーのイドリーに勝る味はない」と話し、別のひいき客は「差別よりも協力だ、と家族にはいつも話している」と親子を応援する。