8月2日付けTNN通信は、医療サービスが不十分なジャンムー・カシミール州スリナガルで、身体に障がいのある子供たちのためのリハビリセンターを運営する医師マクブール・ミール(Maqbool Mir)氏の取り組みを紹介した。
例えば以前はカップで飲むという行為も困難だった16歳の少年は、様々な治療法を試しても改善せず、評判を聞きつけた父に連れられてミール医師の運営するシャファカット・リハビリセンター(Shafaqat Rehabilitation Centre)に入所、愛情のこもったサポートのおかげで現在は自由に話もできるようになった。
「訓練を根気よく続ければ何でもできると思う」と希望に輝く目で話す。
もとは耳鼻咽喉科を専攻していたミール医師は、スリナガルの医科大学に在学中にしばしば近隣の村を訪問し、様々な心身の障がいに苦しむ子供たちを多く目にしたことをきっかけに、安価もしくは無料で入所できるリハビリセンターの設立を志し、2000年にそれを実現した。
現在は100名ほどの子供たちがリハビリのために入所しているが、当然ながら資金繰りは非常に厳しい。
しかしミール医師にしてみれば「子供のためにリハビリを受けさせるよう両親を説得して理解を得るのが最も困難」と明るく言う。
センター用地は政府が寄付しており「問題は金じゃない。お金は出せる人には出してもらい、出せない人からは取らない。その代わり多方面から資金援助を求めている」と話すミール医師、一流の設備を整えた国際標準レベルのリハビリセンターを築き上げることを当面の目標としている。