アラハバードのハリーシュ・チャンドラ研究所に所属する弦理論学者、アショーク・セン(Ashoke Sen)氏が、世界で最も高額な賞金で知られるユーリ・ミルナー基礎物理学賞(Yuri Milner Fundamental Physics Prize)の最優秀賞受賞者9名に選ばれ賞金1億6700万ルピーを獲得、一晩にして億万長者になったと話題になっている。
ノーベル賞が授与する賞金の3倍を出し、通常は2、3名の科学者との間で配分されることが多いユーリ・ミルナー賞は、基礎物理学の分野における若手研究者の貢献を評価することを目的として、著名なロシア人投資家のユーリ・ミルナー氏によって設立された。
ノーベル賞などの一般的な賞とは異なる点は、将来に渡って理論的な思考を導くことのできる画期的な概念を評価することを目的に、データによる裏付けのない理論についても授賞するところにある。
セン氏は2001年の国民栄誉賞にあたるパドマ・シュリー賞のほか、数々の国内賞(1994年のSS Bhatnagar賞など)を受賞、そして1995年にはインド国立科学アカデミーの、1998年にはロンドン王立協会のフェローとして選出された経験を持つ。
また同賞の設立者であるミルナー氏は、シリコンバレーにおいて過去3年間にTwitter、Facebook、Spotifyなどの人気ソーシャルメディア企業に投資して一躍時の人となり、現在の投資総額は120億ドル、個人資産の価値は10億ドルにものぼると見積もられている大富豪である。