
インド史上最大規模の外国投資となる事業計画が3日、ついに順風に乗ることになりそうだ。
識者を集めた連邦委員会が、韓国の製鉄大手ポスコ(Posco)が120億ドルを出資してインド東部に建設を計画している製鉄プロジェクトを承認した。
1月4日付WSJ通信が伝えた。
実際には今月末を目途にインド環境大臣が予定している環境面の最終的な認可待ちだが、同委員会がゴーサインを出したことは、オリッサ州で長らく計画されてきた同プロジェクトに対し、政府がこれ以上の難癖をつけることは事実上困難となる。
今回の連邦環境委員会による決定は5年もの間、動かないプロジェクトを抱え続けたポスコにとっても安堵の報せとなったことはもちろん、近年インド政府によるとみに厳しい環境認可プロセスに直面してきた国内や海外の関連企業にとっても朗報となるだろう。
インド国内各所における製鉄所建設計画と同様、ポスコ社のプロジェクトは大規模開発となるため、住む場所や生活手段を奪われるのではないかと恐れる取得予定地の住民や地主らから根強い反対に遭っている。
ポスコ社は依然、プロジェクトが予定地に古くから暮らしてきた部族民の権利を侵害しないかどうかを検討する審議委員会からの承認を待っている状態だ。
政府が任命した識者によって構成される環境委員会は3日、2007年に供与された当初認可が、新たなデータの追加によりさらに正当化されたと述べた。
この一件はプロジェクト規模の大きさのみならず、最近インド環境省が、環境保護面で適切な条件を満たしていないという理由で炭鉱建設計画など大掛かりなプロジェクトのいくつかを却下しているという背景から、その動向に大きな注目が集まっていた。
ジャイラム・ラメシュ(Jairam Ramesh)環境大臣は、厳しすぎる環境保護政策は同省のイメージを守るためだけに過ぎないと、産業界から批判の槍玉に挙げられてきた。
ラメシュ大臣は最近、ポスコ社のプロジェクトは「在任中に関わった案件の中で最も難しい決断を強いられるものだ」とコメントしている。
環境委員会は、ポスコ社プロジェクトにより移転を余儀なくされる農業・漁業関係者らに支払われた補償金の妥当性について、オリッサ州地方政府の裁定に合意している。
委員会はまた、プロジェクトの遂行が周辺住民の飲料水に何らの害ももたらさないことを認め、またポスコ社が取得予定の4000エーカーの土地は、その他製鉄会社が同程度のプロジェクトを立ち上げる場合に必要とする土地の面積と比較しても小さくまとまったものであると述べている。
今回の承認はしかし、建設予定プラントの当初生産能力である年間400万トンの水準に限ったもので、プロジェクトを拡大する度に別途認可を得る必要があると委員会は繰り返し強調している。
ポスコ社では最終的には年間1200万トンまで生産能力を拡大することを目指している。
さらに委員会では、総プロジェクト費用のうち5%は、周辺地域にとって社会的に意味のある活動に充てられるべきであり、また取得地域の四分の1にあたる1000エーカーは緑地として保存することを求めている。
ポスコ社は今後、着工から6カ月以内に作業者用住宅地の整備計画を当局に提出することになっている。
原文:Posco $12 Billion Steel Project Steps Closer to Approval in India