18世紀に建造され、石造のものとしては世界最大の天文台である、ラジャスターン州ジャイプルのジャンタル・マンタル(Jantar Mantar)が、現在ブラジルのブラジリアで開催されているユネスコの世界遺産委員会の会合において、新たな世界遺産として認められた。
8月1日付ナブバーラト紙が報じた。
「インドでは28カ所目、ラジャスターン州ではコラデオ国立公園(Keoladeo National Park)に次いで2カ所目の世界遺産指定となり、非常に光栄に思う」同州のビナ・カク(Bina Kak)観光大臣はコメントした。
ジャンタル・マンタルは当時の王(マハラジャ)であったジャイ・シン2世(Maharaja Jai Singh II)が新たに首都としたジャイプルに造らせたもので、1727年に着工、1734年に竣工した。
裸眼での天文位置観測を前提に、20個あまりの幾何学的器具が時間の計測をはじめ、地球の公転に応じた日食や月食の予測、星の位置の追跡をするほか、地球の赤緯を究明したり、天体高度などの天体位置の計測を行うなどしていた。
観測台としても建築物としても非常に革新的な要素を採り入れていた。
マハラジャは他にもデリー、ウッジャイン、マトゥラー、バラナシ(いずれもウッタル・プラデーシュ州)に天文台を建設しているが、ジャイプルのものが最大で、観測精度も最も正確である。
カク大臣は今回の世界遺産指定により、ジャイプルをはじめとする州内の観光産業が一層盛り上がることを期待する。
同州には毎年80万人ほどの観光客が訪れており、「税制の緩和や融資策の整備など、今後の観光産業の振興のための措置を講じていきたい」と語る。