インド建国の父、マハトマ・ガンディ氏によって執筆された遺作の著作権が、インド著作権法(Copyright Act, 1957)第22条に基づき、著者の死後60年を満了する昨年12月31日をもって失効した。
これに基づき1月1日より、全集をはじめとするあらゆる著作の管理元であったナブジーバン・トラスト(Navjivan Trust)の許可がなくても自由に公開・出版できるようになったが、当然のことながらその取り扱いを巡り、様々な物議が持ち上がっている。
今は歴史上の人物となったガンディ氏が遺した著作の数々はこれまで同トラストが独占管理してきた。
ガンディにより設立された教育機関「Gujarat Vidyapith」では、「氏の思想の尊厳や信憑性が著しく傷つけられるおそれがある」との懸念を顕わにしている。
例えばベンガルが産んだ大詩人、ラビンドラナート・タゴール(Rabindranath Tagore)の作品は、著作権が失効した2002年よりシャンティニケタン(Shantiniketan)大学が全集の管理を担当しており、同様の措置をナブジーバン・トラストに求める声が高まっている。
一方の同トラストは、これまで著作権管理によって得られてきた100万~200万ルピーほどの年間収入への執着はなく、むしろガンディの思想が、より広がっていくことに期待を寄せている。
「ガンディ自身が、著作権という概念を嫌っていた。それに今後、どういった形で著作が解釈されようとも、ガンディを深く愛し、理解する人々の目が無数にあることを思えば、真実が犯されるといった心配もさほど感じていない」とジテンドラ・デーサイ理事。