貧困と性的虐待が横行するムンバイの売春街で生まれ育った少女が、粘り強い勉学ののちに見事、奨学金を勝ち取り、ニューヨークの大学に入学することになった。
カッティ(Shweta Katti)さん(18)は今月1日、ニューヨークのバード・カレッジ(Bard College)で心理学を学ぶためにムンバイ国際空港を飛び立った。
カレッジを卒業後は、故郷に戻って若い女性たちの生活向上を支援したいと話している。
「海外への留学は、子どもの頃からの夢だった。ついにそれが叶う日が来た」と語るカッティさんの血の滲むような努力は、今年ニューズウィーク(Newsweek)誌が発表した25歳未満の「注目すべき若い女性(Young Women To Watch)」25人に選ばれた。
この25人の中には、女子への教育の必要性を命がけで訴え、先月国連で演説したパキスタンのマラーラ(Malala Yousufzai)さんも含まれている。
カッティさんが生まれ育ったムンバイのカーマティープラ(Kamathipura)地区は特に治安が悪いことで知られており、「毎日、誰かが女性を殴っている場面に出くわすし、警察は突然踏み込んでくる。女性たちは皆、他に術もなく身体を売って生活している。誰もが不幸な場所だ」と言う。
「私も何度か、男たちから身体の関係を迫られた。口に出すのも憚られるほど恥ずかしい出来事が数多くあるが、それが事実だ。父親からも虐待を受けたし、その他の人たちからも虐待を受けたことがある。学校に行っても、貧しさに加えて売春街出身ということで差別に遭った。でも母だけは、『おまえは最高だ。おまえなら何でもできる』と言い続けてくれた」
他でもないこの偉大な母と、ムンバイの売春街で苛まれながら暮らす少女たちを「社会を変革する力」に変身させようと励まし、取り組みを続ける慈善団体「クランティ(Kranti:ヒンディ語で『革命』を表す)」の多大なる支援によって、夢を見失わず必死で勉学を続けてきたカッティさん。
クランティで学んだ英語と、心理療法の知識が、カッティさんの心理学への強い関心を呼び覚ました。
「今なら、誰かを変えることができると思う。自分の生い立ちや、自分自身を、ようやく尊重できるようになってきた」カッティさん。