ほんの数年前まで米国で高級車を乗り回していた元ソフトウェア技術者のガウラブ・サハイさん35歳は今、故郷ほど近くにあるグジャラート州の村で農業に人生を捧げる。
後悔はないかという問いに「唯一あるとすれば、現在作付けしている土地は友人から借り受けているもので、自分の土地ではないないという点だけ」と爽やかだ。
6月5日付ナブバーラト紙が、都市の恵まれた生活を捨てても農業を志す若者が少しずつ見られるようになってきた現象について報じた。
サハイさんの場合、丹精込めて育てた作物は、やはり別の友人が市場に提供してくれた区画で販売している。
「先月は1.2トンほどの野菜が売れました。農業は耕して収穫するだけではなく、深い研究と綿密な計画が不可欠であり、先輩農業者に指南を仰ぐ日々です」サハイさんは話し、今後はスパイスやハーブなどの栽培に力を行きたいという。
西ベンガル州のジャルパイグリ(Jalpaiguri)県でもやはり、35歳の働き盛り、ラジャ・アディカリーさんが代々貿易商として続いてきた血筋から異端児となり農業に転向、100エーカー(およそ405平米)の土地で茶葉を栽培している。
専門家の話によると「特に茶葉をはじめバニラやコーヒー、イチゴなど、現金化しやすい農作物の価格が安定して上がってきており、農業を新たなビジネスと捉える若者を惹きつけている」と分析する。
33歳のヨギタ・メーラさんも環境経済学で修士号を取得後に就職した政府機関(The Energy and Resources Institute)の安定した職を辞し、農業の世界に足を踏み出したひとり。
「農業は予想以上に厳しい世界だが、都会生活のストレスから開放された充実感の方が大きい」
別の33歳、ジャスクラット・シンさんは、ソフトウェア会社での勤務を続けながら農業も始めた、いわゆる「兼業農家」タイプだ。
「すぐに本格的な農業を始めるのは難しいかもしれないが、いつかはと思っている」と話す。