バンガロールやマイソールのお土産として有名なマイソール・パック誕生秘話がNDTVウェブ版で紹介されていた。
1935年ごろ、当時近隣を治めていたクリシュナ・ラジャ・ウォデヤル(Krishna Raja Wodeyar)王が居所としていたマイソール宮殿の、王のお抱え料理長が偶然思いついたものとされている。
ある日、昼食のデザートを用意していなかったことに直前になって気付いた料理長は、あわててキッチンのありあわせの材料、グラム豆粉(ベッサン)、ジャグリー(黒砂糖)、そしてギー(精製バター)を混ぜ合わせたものを、王が昼食を取っている間、冷やしておいた。
食事を終えた王のもとへ、恐る恐るこのデザートを献上すると、王はいたく気に入り、もう1つ、もう1つと要求したという。
今までに味わったことのない、このおいしい菓子の名は何と言うのかと、王に尋ねられた料理長は、思いつきで「陛下、これはマイソール・パカ(『パカ』とはカンナダ語で『甘いものの組み合わせ』を指す)でございます。」と答えた。
以来、この地方で大人気のお菓子となり、その由来から「お菓子の王様」とも呼ばれるようになったマイソール・パック。
良質のギーを使ったものは、まるで「焦がし生キャラメル」のような味わいで、しかも口の中でさっと溶けてしまうため、王様のように「もう1つ」と手が伸びてしまうこと間違いない。