Udaipur:
ラジャスターン州ウダイプルの活気のある路上を音を立てて走るオートリクシャーの列、そこに1輪の華が咲いてから久しい。
市内で唯一、女性ドライバーとして活躍するマンジュ(Manju)さんは、揮発燃料業を営む男性の妻であり、大学生の息子と高校生の娘を育てる母でもある。
結婚前はパンジャーブで家政科の資格を取得し、ウダイプルに嫁いで25年経た頃、子供の教育資金の足しにと、ローンでオートリクシャーを購入し、これを貸し出すことで収入が入るはずだった。
ところが、度重なるエンジン機器等の故障やガソリン代、ドライバーへの支払いなどが嵩み、却って借金を生む結果になってしまった。
窮地に陥り途方に暮れていたところを、知人が「いっそのことドライバーになってはどうか」と勧め、交通量や人の目の少ない深夜の特訓を始めた。
いまや、マンジュさんは自信を持ってウダイプルの街を走り、「同僚」のドライバーらから「アウンティ(おばさん)」と呼ばれ親しまれている。
時には、交通警察ですら、手を差し伸べるほど、皆から尊重されるようになった。
「ウダイプルの人たちがとても温かいので、助かっていますよ」マンジュさん。
乗客のひとりで、主婦のラクシュミーさんは、「男性と対等に働く彼女の存在は、私たち女性の励みになっています」と語っている。