
インド巨大企業のひとつである複合企業、マヒンドラ・グループ(Mahindra Group)を率いるアナンド・マヒンドラ(Anand Mahindra)氏は、自身が学士・修士課程を修了した米ハーバード大学に1000万ドルの資金を寄贈した。
同グループの旗艦企業であるマヒンドラ・マヒンドラ(Mahindra & Mahindra Ltd.)で副会長兼代表取締役を務めるマヒンドラ氏は、母であるインディラ・マヒンドラ(Indira Mahindra)氏に寄せた基金を母校の人文科学研究センターに寄付した。同研究所の正式名称は今後「マヒンドラ人文科学センター(Mahindra Humanities Center)」になる。
「相互に関係し合う世界情勢において、複雑な問題に取り組んでいくためには、国際的な環境を整え、文化の垣根を超えた学際的なアイデアの交流を奨励することが非常に重要だ」マヒンドラ氏は公式声明の中でそう述べた。「社会的・人文主義的な課題を、実業界を投影する本質的価値に反映していくことの必要性は理解している。そこで同僚たちや、仕事上の垣根を超えた仲間たちやからの大きな支持を礎に、これを実現しようと考えた」
マヒンドラ氏はハーバード大学で映画学を専攻、1977年に卒業後、1981年に修士を学ぶため改めて渡米した。
マヒンドラ・グループはインド最大の複合企業のひとつだ。総従業員数は10万人以上、年間売上高は70億ドルを超えている。業務用車両やトラクターから、投資銀行業務、ソフトウェアのアウトソース開発サービスまで幅広く扱っている。
マヒンドラ氏は、今年になって米一流大学との関わりが記事になったインド人のうちのひとりだ。「ハーバード・ビジネス・スクール」として知られるハーバード大学大学院経営学研究科の新しい学長として、インド生まれのニティン・ノーリア(Nitin Nohria)氏の就任、また4月、初のインド人女性としてハーバード大学経済学部で終身地位保証されたギータ・ゴピナス(Gita Gopinath)さんが話題となった。
マヒンドラ氏はまた、母校に恩返しをした数多くのインド人実業家に仲間入りしたことになる。有名なところでは、億万長者として知られるアムバニ兄弟が挙げられるだろう。兄で、インド最大の時価総額を誇るリライアンス・インダストリーズ(Reliance Industries)会長のムケーシュ・アムバニ(Mukesh Ambani)氏、そして弟で、メディアからエネルギーまで幅広く取り扱うリライアンス・エーディーエー・グループ(Reliance ADA Group)を率いるアニル・アムバニ(Anil Ambani)氏はそれぞれ、やはり母校に、父でありリライアンス・グループ創業者の名、ディルバイ・アムバニ(Dhirubhai Ambani)氏を冠した寄付をしている。ムケーシュ氏が学んだスタンフォード大学大学院ビジネス研究科(Stanford Graduate School of Business)におけるリライアンス・ディルバイ・インディア教育基金(Reliance Dhirubhai India Education Fund)、そしてアニル氏が学んだ米ペンシルバニア大学の経営学修士課程ウォートン・スクール(Wharton School)におけるディルバイ・アムバニ講堂(Dhirubhai Ambani Auditorium)が、それらにあたる。
マヒンドラ氏の資金は、ハーバードにおける奨学金、パネルディスカッション、会議、ワークショップなどの学際的な交流に役立てられることになるだろう。同センターでは今年のゼミ研究課題として、「モダニズム」、「イタリア美術研究」、「音楽、感覚生態学、身体」、「異文化間における詩的表現・修辞表現」まで幅広くまたがっている。
「人文科学は、繊細な演出の技と、他者の暮らし、仕事、歴史に対する理解を高めるきっかけを与える」人文科学センターでセンター長を務めるホーミ・バーバー(Homi Bhabha)氏。「アナンド・マヒンドラ氏は、ハーバード大学における人文科学センターの存在意義を向上し、キャンパス内外のアイデアの跳躍を促進するだろう」バーバー氏はつけ加える。
Source:Mahindra Donates $10 Million to Harvard