マニプール州タメンロン(Tamenglong)県で、若きナガランド州の国家公務員(Indian Administrative Service:IAS)の男性が、政府からの資金拠出に頼らず、住民らと協力しながら自力で「自分たちへのクリスマスプレゼント」としての道路を建設している。
11月3日付ナブバーラト紙が報じた。
インド北東州はインフラの開発が非常に遅れており、満足に利用できる道路が開通している地域は非常に限られていることを憂い、IASというインドで絶大な権限を持つエリート国家公務員であるアームストロング・パメ(Armstrong Pame)さんは、ナガランドからアッサムを通り、マニプールに至る100キロの道路建設を、政府の支援に頼らずに自力で着手することを決めた。
パメさんは出身部族のゼメ族で初のIAS職員である。
同地域における道路建設は、1982年に中央政府により10億ルピーほどの予算充当が行われていたにもかかわらず、何らかの理由でこれまで決して着工することはなかった。
こうした背景とともに、パメ氏は今回の「強行」に至った経緯を次のように説明している。
「昨年12月、チダムバラム(P Chidambaram)内務大臣がマニプールを訪れ、なぜ道路が建設されないままなのか、州政府に疑問を呈したが具体的な回答がないままだった。そんな中、今年の6月から7月にかけ、腸チフスやマラリアなどが流行し、患者を病院に搬送するにもままならない道路の状況に業を煮やし、強い危機感を抱いた」
パメ氏は自らの給料6カ月分と、妻の給料、そして老いた両親のわずかばかりの年金、友人などからの寄付などをかき集めた40万ルピーを元手に、ブルドーザーなどの土木機械を借りてきて、「沿線」住民などと協力しながら道路建設を始めた。
「資金はまだ足りないので、現代の利器であるSNS、フェースブック(Facebook)で募金を呼びかけたところ、たった3日で12万ルピーが世界中から集まった。これで工事業者も雇うことができるし、あとは僕たちの肉体労働でまかなうつもりだ」パメ氏。
若き官僚のリーダーシップに心を動かされた人々が、デリー、プネ、バンガロール、チェンナイ、グワハティ、シロン、ディマプール、そして海外ではカナダ、アメリカ、英国などで募金センターを立ち上げ、「タメンロン・ハフロン・ロード(Tamenglong-Haflong Road)」と名付けられた道路建設のための資金を集めている。
「道路が完成したら、寄付者全員の名前を刻み込む予定だ」パメ氏。
8月に開始した道路工事は、途中天候の不順により一時休止していたものの、9月に再開し、現時点で70キロまで完成している。
「深い森林を貫通する、残り30キロが最も厳しい工事となるが、クリスマス前にはなんとしても完成させたい」パメ氏は目を輝かせて身体を動かしていた。