人口や面積ともに年々拡大しているプネでは、公共の交通機関が常時パンク状態の市バスしかなく、オートリクシャーはまさに「わが世の春」を謳歌、少しでも意に沿わない客については乗車拒否が著しい。
こうした事態に不便を被ってきた市民のひとりである49歳のラタ・パルデシ(Lata Pardeshi)さんは、女性として初めてオートリクシャーを自ら運転することで問題を解決した。
15年来オートリクシャーを運転するラタさんは、現在でも市内で唯一の女性ドライバーだという。
動機について「本業は鮮魚販売。以前は自宅から店まで通うのに車内が臭くなるという理由でよく乗車拒否をされており、困っていた。そこでたまたま幼ななじみがオートリクシャーの教習所を経営していたことから、自分で運転できればと思った」と説明する。
鮮魚の売り上げとオートリクシャーの運賃収入という、二通りの生活手段を得たラタさんは、アルコール中毒で家庭を顧みなかった夫に三くだり半をつきつけ、以来、心の支えとなってきた2人の娘たちを立派に育て上げた。
女性ドライバーはこれまでに何度か導入が試みられたことがあったが、社会的な受け入れという面で土壌が育っておらず、ラタさんは異例だ。
このため、女性でオートリクシャーを運転しているということで、奇異の目で見られることもしばしばだという。
「(女性であるというだけで)運転スキルを疑う乗客もいる。そんな人には数百メートル乗って、運転に不満だったら降りてくれと言うことにしている」ラタさんはあくまでたくましい。