色とりどりの花が並び、芳香にむせかえるタミル・ナードゥ州マドゥライの花市場に、フランスの有名ブランドであるクリスチャン・ディオール(Christian Dior)の調香師フランソワ・ドゥマシー(Francois Demachy)が毎年訪れるようになって久しい。
全世界で最も売れている香水とされるディオールの「ジャドール(J'adore)」は、このマドゥライの花市場から仕入れたジャスミンと月下香の抽出物を使用している。
ジャスミン畑に赴いて直接買い付けることを方針とするドゥマシー氏は、「マドゥライのジャスミンは、この土壌でなければ得られない独特の強い香りの強さを持っている。ジャドールの全商品に使用している」と説明する。
ドゥマシー氏がディオールに入社した28年前にはすでに、ジャドールは同社香水のトップセールスだったが、「ジャドール・ライン(J'adore L'Absolu、J'adore L'Or、J'adore Eau de Toilette)では、イランイランやダマスク・ローズと並び、特にジャスミンを主原料とみなしていた。私自身、ジャスミンの産地である(フランスの)グラース出身で、香りには人一番敏感だった」と、マドゥライのジャスミンを選んだ動機を語る。
タミル・ナードゥ州で生産された香り高い花々は、ディオールの他の香水ライン(J'adore Eau De Parfum、Poison、New Look from La Collection Privee CD、Escale a Pondichery)でも用いられているとドゥマシーさん。
クリスチャン・ディオールへの原料供給支援は、コインバトールの企業「Jasmine CE Pvt Ltd」が主に担当している。