インドの若者の多くに希望を与えたITアウトソーシング産業。
その立役者とも言える、最も初期にフロントランナーとして創業したソフトウェア会社、パトニ・コンピューター・システムズが、その34年間の幕を閉じた。
5月8日付ナブバーラト紙が報じた。
パトニでは、もうひとつの巨大企業であるインフォシスの創業者、ナラヤナ・ムルティ(Narayana Murthy)氏もかつて社員として働いていたことがあり、「多くの優秀な仲間たちに出会い、私もたくさんのことを学んだ」ムルティ氏は惜しみつつ振り返る。
同社は2011年初頭に米の巨大IT企業アイゲート(iGate Corporation)に12億ドルで買収され、両社での統合作業が進んでいたが、ニューヨーク株式市場に公開されていた株式の取引は3月21日付けで終了し、3月28日付で株式市場の銘柄から外された。
このたび、買収後に「アイゲート・パトニ」とされていた社名からも、「パトニ」の文字が消えることになった。
マサチューセッツ工科大学を卒業したナレンドラ・パトニ氏が創業したパトニは、インドIT産業における試験管のような存在として、全く新しい産業で成功したいという野心を抱く若者を触発し、またIBMやアクセンチャー、キャップジェミニといったグローバル企業をインドに集めた。