医科大学で人体解剖実習に用いる遺体を求めて、血眼にならずに済む画期的なモデルが導入された。
アラプザー医科大学(Alapuzha Medical College、ケララ州アレッピー)では、医療専門家チームが人体のデジタル解剖モデルを開発し、外科手術の研究や実習に役立てることを目的としている。
「3Dインディアナ」と名付けられたデジタル解剖モデルは、内臓やその位置、相互の連結、大きさや質感までも含め、人体の各構造そのままの解剖学的関係を再現した仮想人体である。
開発を指揮したのはジェローム・カリスター(Jerome Kalister)医学博士で、15名の医療専門家からなるチームによって、リサーチに3年を賭したのちに完成した。
現在、農村の健康増進のための全国ミッション(National Rural Health Mission)と協議を重ね、医科大学での実験に活用してもらうよう打診している。
カリスター博士は、「医科大学1年次は遺体を用いた解剖実習を行うことが通例だが、2年次、3年次と進むに従って、遺体の不足もあり、人体の一部のみを標本として抽出した上で、解剖実習すらできず観察のみに留まることが多い。3Dインディアナを用いれば、こうした問題を解消でき、実際の遺体を解剖しているのと同様の臨場感で、人体内部の構造を具に観察することができ、解剖実習の効果を向上できる」と説明し、このモデルは既にインド解剖協会(Anatomical Society of India)にも既に支持されていると語った。
開発チームは現在、データサイズが1,500GBと巨大であることから、3Dインディアナをウィンドウズ上で稼働させ、使い勝手を向上するための改良に取り組んでいる。
この改良作業が完了すれば、著作権侵害対策が施されたノートパソコン上での稼働を試みるということだ。
カリスター博士によれば、開発に掛かった費用は600万ルピーは下らないという。
「米でも科学者450名を投じて15年かけ、可視人体プロジェクト(Visible Human Body Project)というのをやっていたが、その開発費用よりもずっと安価だった」