一般的なインド企業にとって、海外進出先の筆頭は相変わらず欧米諸国であり続けている中、近隣の有望市場を見落しているのではないかという指摘も挙がりつつある。
特にインドネシアは、アジアで新たに頭角を現しつつある国として注目されている。今年度上半期に海外から同国へ投資された金額はすでに、2009年度における年間投資額に迫っている。しかしその中でインドは、存在感がほとんどない。最新データによれば、2009年度、インドネシアに向かった外国直接投資全体に占めるインドの割合はわずか0.2%、今年度第1四半期に至っては、取り上げるまでもないほど僅少だ。ただしこの場合、石油、天然ガス、鉱物資源といった、インド国内でまかなえないエネルギー資源の輸入については考慮に入っていない。
インド企業は、二カ国間にある類似性からこそ商機を産み出し得ることに、まだ気づいていないようだ。インドネシアにおける操業環境は、インド人が慣れた母国のそれとあまり変わらない。低価格製品であふれた大型市場では、先進国におけるよりも少ない努力で、リーダー的地位を築くことができるはずである。
人口2億3400万人のインドネシアもインドと同様、若年型人口構成をとっており、急速な成長が約束されている。2015年まではアジア最速レベルである6%以上の成長率を維持することが予測されている。ドイツ銀行(Deutsche Bank)はインドネシアにおける一人あたりの国内総生産は今後2年間で50%上昇し、中間所得層は2015年までに現在の2倍程度にあたる5200万人に到達すると見ている。
さらに近年の政治的な安定も、各国をしてインドネシアへの投資意欲を奨励する要因となっている。海外からの投資は積極的かつ急速に伸びている。今年度上半期における民間セクターへの投資額100億ドルのうちの8割は、外国投資が占めている。
インド企業が長所を発揮できる分野としては製薬産業で、低価格のジェネリック薬で優位に立てる可能性がある。インドネシア政府では、海外の製薬企業に現地企業の100%子会社化を許可する方針を検討している。これが実現すれば、同国の大衆薬市場は2009年から2014年までの5年間、平均11.7%の成長率を維持するだろう。調査会社ユーロモニター(Euromonitor)によれば、これはインド国内で同期間に見込まれる平均成長率9.5%を凌ぐレベルとなる。
インフラ関連も新たな機会をはらんでいる。インフラは既知の通り、インドでも発展しているとは言い難い。しかしインド企業は官民提携(PPP)モデルでの開発に豊富な経験があり、インドネシア政府が今後4年間で予定しているおよそ1430億ドルのインフラ開発投資にうまく組み込める可能性がある。
このようにひとたび、インド企業がインドネシアへの進出を決めれば、その可能性は明確に示されている。もはやインド企業が、これを避けて通ることは賢明ではないと言えよう。
Source:India Inc.'s Indonesian Opportunity