先週インド中を駆け巡り、瞬く間に去って行った一年最大の年中行事で、インド人たちが最も景気が良くなる祭としても知られるディワリに、長年の夢を叶えた男がここにもいた。
マディヤ・プラデーシュ州ボーパールに住む38歳の個人事業主が、銀行を所有しているわけでもないのに、インド人として初めて、個人として現金自動預払機(ATM)を70万ルピーで購入したことが話題になっている。
11月5日付ナブバーラト紙が報じた。
「妻には『合法である』と説明した」念願のATMを手に入れたジェートプリア(Jethpuria)氏。
インド国内には現在、100万台規模でATMが必要とされているが、実際はわずか6万5000台しかない。
ATMはメンテナンス費用として毎月10万から15万ルピーが発生してしまうことが、伸び悩みの主原因とされている。
そこで2005年より、インド準備銀行(RBI)が自由化の一環として、ATMのアウトソース営業を許可するようになった。
今回のジェートプリア氏のATM購入も、ATMの外注経営を目指してのことだ。
インド準備銀行によればATMに振り込まれた現金は全て銀行に属するが、外注先業者は好きな設置場所を選び、あとは取引ごとに手数料収入を得ることができる。
「国内のATM一台あたりの一日の平均取引数は260件で、場所や銀行によって異なる。私は個人的に70万ルピーを支払って素(ホワイトラベル)のATMを購入したが、願わくばSBIと契約したいものだ。ラクシュミー女神に一心に祈ったよ」ジェートプリア氏。