保健衛生省のデータによれば、国家を挙げた旗艦プロジェクトである農村保健衛生ミッション(National Rural Health Mission:NRHM)の立ち上げから11日で5年が経過したが、その主要目標であった農村や過疎地域における保健衛生管理体制の整備にはまだ遠いようだ。
4月11日付ナブバーラト紙が報じた。
NRHMは2005年、マンモハン・シン首相により立ち上げられ、11日には同省アザド(Ghulam Nabi Azad)大臣やNRHM副理事などが出席する総括会議が開催された。
その際に発表されたデータによれば、妊婦死亡率、乳児死亡率はいずれもこの5年間で生児出生10万件当たりそれぞれ304件から254件、66件から53件へと若干の改善があった。
しかしながらインドでは依然、栄養不足から46%の子供たちに何らかの発育不良があるという。
いっぽうでNRHMでは、出産を控えた女性たちが産婦人科で定期検診を受ける件数に顕著な増加があったことを5年間の主な実績としている。
しかしながら、一次治療まで施せる診療所の設置は立ち遅れており、15万人がいわゆる「医師難民」である厳しい状態となっている。
アザド大臣は、政府が国内総生産の1%しか保健衛生分野に支出していないと批判し、農村地域における保健衛生設備の整備に対し、かなりの注力が必要であることを認めている。
同大臣はまた、医師始めとする医療関係者の8割は、主に都市部に住むわずか2割の国民に従事しているに過ぎないとして警鐘を鳴らしている。