10歳の時に発症した深刻な若年性慢性関節炎に悩んできた32歳のイラク人女性が先月、ムンバイのアポロ病院で2週間をかけて股関節と肘関節の関節置換術を受け、順調に回復に向かっていることが分かった。
12月13日付ナブバーラト紙が報じた。
執刀に当たった人工関節置換医のラジュ・ワイシャ(Raju Vaisha)氏は、「比較的珍しい症例のため、手術の時期が遅れると前途ある若者がその後の人生を深刻な障害や不具合を抱えながら生きねばならなくなる場合がある」と話す。
何よりも特筆すべき点は、今回の一連の手術と入院にかかった費用の総額がおよそ100万ルピーと、欧米での手術費用の5分の一から10分の一程度に収まったことだ。
このイラク人患者はこれまでひどい痛みや筋肉の凝り、関節変形などがあったといい、歩行や着席にも困難な時があったというが、手術後は経過も良好で、新しい関節を得た後にリハビリを実施したところ、歩行もできるようになり、既に退院しているという。
「医療費や入院費はもちろん、導入している人工関節の価格も米国製のものであるにも関わらず安い」と説明するワイシャ氏によると、インドで人工関節置換術を受けるため、毎年5000名ほどの外国人患者が訪れているという。