
インドで最も金持ちな男が、世界初とされる「ビリオンダラー邸宅」を建設したという。それはまさに、ビリオン中のビリオン、と言えるような建築物だ。
インド最大規模の会社の頂点に君臨するムケーシュ・アムバニ(Mukesh Ambani)氏、その夫人と3人の子供たちは今月末にも、ムンバイの一等地に聳える27階建ての邸宅の新築祝いパーティを計画している。招待客にはお決まりの豪勢な饗応のほか、3ヵ所のヘリポート、ヘルスクラブ、ダンススタジオ、50席の映画館、そして160台が余裕で駐車できる地下駐車場を披露されるだろうと、ニューヨーク・デイリーニュース(New York Daily News)は伝えている。内装を担当したのはアメリカのインテリア会社だった。
むろん建築費用に10億ドルというのはまゆつばの話だが、それでも数百万ドルが注ぎ込まれたことは間違いない。ムンバイにおける天文学的な不動産価格を考慮すると、竣工した建造物は、建築費用を数倍上回る価値を帯びることだろう。これが、「ビリオンダラー邸宅」という取り上げ方がなされたゆえんだ。
噂によると邸宅には、お抱えの給仕スタッフが、一般的な小規模会社の従業員数よりよほど多い600人も控えているらしい。
邸宅のサイズは確かに家族の人数にそぐわぬ大きさかもしれないが、単純に広すぎるというわけでもない。高さは550フィート(およそ168メートル)にも達し、豪華な屋敷というよりもタワーマンションのような外観で、子供たちなら「レゴ・ブロックだ」と歓声を上げるかもしれない、前述のデイリー・ニュースは指摘する。
アムバニ氏の財力があれば、もっと贅沢な邸宅を建てることも可能だったろう。米フォーブス誌によれば、インド最大の民間企業にまで成長した繊維業のリライアンス・インダストリーズを率いるアムバニ氏の財産は290億ドルで、これは世界でも4番目の資産家であることを意味する。
貧困やスラムが顕在するインドという国では場違いに映る、アムバニ氏のこの大建築を、皆がもてはやしているわけではないのも不思議はない。地元新聞のコラムニストはこの建造物を「虚栄心の象徴建築」と呼び、別の地元デザイン誌は「品のない贅沢」と評している。
この億万長者に対する痛烈な批判だ。だがこの男は、一般人のように映画館へ出掛けて行くことができないのだから(このぐらいの贅沢は許してやれ)、という、氏に近い人物の話を英ガーディアン紙は引用している。世界中の誰もがそう望むように、彼も自分に合った家を建てたに過ぎない。そう、利便性と要件を満たした家を。ここは彼にとって、家族で暮らす、ちょっと大きめの家というだけだ。誰もが住まうごく普通の家のひとつ、ただ、それだけだ。だから事件なんかではない。
事件でもなんでもないのだ。
Source:FBillion-Dollar Home Readies for Housewarming