4000年前、インドからオーストラリアに大量の移民があったことが、ある遺伝子研究によって明らかになった。
これまでは、およそ4万年前に人類が生まれ、紀元1800年ごろにヨーロッパ人が植民地化するまで、オーストラリア大陸は他大陸から極めて離れた場所にあることから、他大陸との間で人の交流がほとんどなかったと信じられてきた。
しかし、オーストラリアの先住民アボリジニらのDNAを調べた結果、4000年前にインド大陸からオーストラリア大陸への人の移動があったことがわかった。
国立科学学会(National Academy of Sciences)の調査によれば、これらインド大陸からの移住者は、野生犬ディンゴや、細石器などをオーストラリアにもたらしたと考えられている。
この研究はドイツはライプツィヒの「Max Planck Institute for Evolutionary Anthropology」マルク・シュトネキング(Mark Stoneking)教授をはじめとする世界中が注目している。
古代オーストラリアの人口を調べるため、まずはニューギニア人、東南アジア人、そしてインド人のDNAと、アボリジニのDNAを比較した。
その結果、DNA配列中にある遺伝子マーカーと呼ばれる特定の部位で、オーストラリアとニューギニアが1つの大陸だった頃にあたる4万5000年前から3万5000年前のニューギニア人とアボリジニの遺伝子関係を認めただけでなく、インド人とアボリジニとの間にも、5000年前から4000年前にかけて著しい接触があったことを、ゲノム全体にわたる無数の遺伝子マーカーより、シュトネキング教授らがつきとめた。
今回の結果と化石の調査とあわせて、当時インド人らがオーストラリア大陸に渡っていたことが証明されただけでなく、オーストラリアが孤立した大陸ではなかったことを示すことになったとしている。