インドにおける高等教育の展望が劇的に開かれることになるかもしれない。
15日のインド連邦閣議で、外国に本拠を置く大学がインド国内にキャンパスを構えることを許可するための外国教育機関法案(Foreign Educational Institutions Bill、参入と運営に関する規制を定義)が可決された。
法案は当初案から何らの修正なく採択され、予算審議の休会を待って国会に提出される予定となっている。
もしも通過すれば高等教育への直接投資(FDI)の裾野が広がり、教育市場を揺さぶる変革をもたらすと同時に、教育関係者にも計り知れない機会がもたらされるものと期待されている。
カピル・シーバル(Kapil Sibal)人材開発相は法案が「電気通信セクターのそれを越える大幅な変革」につながると意欲的だ。
法案は共産党系の反対を受ける可能性はあるが、保守的なBJP(インド人民党)も前向きな意見を示しており、1~2項目に対する異論はあっても大方は国会審議を通過するだろうという意見で一致している。
通過をいち早く見込んで、既に米ジョージア州アトランタのジョージア工科大学(Georgia Tech University)が、国内外のIT関連企業が集まり「ハイテクシティ」として知られるハイダラバード郊外に250エーカー(およそ100ヘクタール)の広大な土地を取得している。
また同じく米の名門エール大学(Yale University)も通過を待ってインドへのキャンパス設立を実現したい意向があるようだ。
こうした海外高等教育機関の運営に際してはインド国内の法律が適用されるが、現在公立大学に義務付けられている特定の社会コミュニティ出身の学生枠(SC、ST、OBC、Minority等)を設ける旨の規定は適用されず、授業料も各大学の裁量で決定してもよい。
法案では、インドに進出する海外の大学は、その教育の見通しについて明確にすることを定めるとともに、教育を通じて得られた利益を本国へ持ち帰ることを禁じている。
高等教育に対する外国投資は2002年から解禁されているが、今回の法案では海外の大学に対し当初少なくとも5億ルピーの元金を預けることなどを条件として、大学認可委員会(University Grants Commission:UGC)に登記の申請をし、それを政府及び委員会側が承諾すれば、インドへのキャンパス建設が可能になるというものだ。
法案ではこうした大学設立登記の手続き全般に期限を定めることを保証する、としている。
「海外大学がインドの私立大学と提携してキャンパスを設立する場合はどうするのか」という世論からの問いに対し、人材開発省では「対象となる海外大学が登記のため来印する義務がある」と回答している。
カピル大臣は「これをもって教育の質の向上が期待できる」と法案の可決を待望している。