被害が拡大し続けるパキスタンの洪水被災者らを支援するべく、インドの人道支援団体らから少なくとも400人の医師と医療関係者らが派遣される。
8月18日付ナブバーラト紙が報じた。
特に被害の大きいシンド(Sindh)郡で主な救援医療活動を行うが、パキスタン領パンジャーブ(Punjab)やカイバル・パクトゥンクワ(Khyber Pakhtunkhwa)は、タリバンの脅威があり医師らの安全確保上の理由から活動を見合わせている。
ムンバイを出発しパンジャーブ州アムリトサル(Amritsar)に至る「アマン・ケ・バドテ・カダム(Aman Ke Badhte Qadam)」、いわゆるパキスタン・インド平和キャラバンを実施していた、ボイス・オブ・アヨーディヤ(Voice of Ayodhiya)、ボランティア団体連盟(Confederation of Voluntary Associations:COVA)、そしてムンバイの人道活動家らが15日夕、パキスタン入りし、パキスタン側の平和活動家らと会談、医師の派遣を交渉した。
ハイダラバードに拠点のあるCOVAには、アーンドラ・プラデーシュ、グジャラート、ウェスト・ベンガル、ウッタル・プラデーシュ、ジャンムー&カシミールなどの州で平和推進活動を展開する800余りのボランティア団体が所属している。
「こうした大災害の時こそ、両国の平和的協力を促進すべきだ」インド側の活動家マゼール・フセイン(Mazher Hussain)氏。
会談の結果、「パキスタン・インド洪水救援委員会(Pak-India Joint Flood Relief Committee)」が組織され、「インド人医師のパキスタン入国と洪水被災地域への輸送を支援する」委員のひとりは説明する。
医師らが活動するシンド郡では、「一般の避難民を含め多くの人々が医療活動が円滑に進むよう配慮し、支援している」インド側委員。
同委員会では医療活動支援の傍ら、インド各都市より義援金や医薬品、テント、保存食などを集めて現地に持ち込み、パキスタン労働党(Labour Party Pakistan)に託すなどしている。
80年ぶりの大災害となったパキスタンの洪水は、中西部、特にシンド郡を中心とする500万人の生活を脅かしている。
しかも同国政府の対応の遅れなどから被害は刻々と拡大、「インドからのいち早い医師の派遣は今後の両国関係改善の要となるだろう」活動家らは考えている。