この何かと混沌とした現代インドにおいては、ムスリム以外の人がモスクを建設するということはあり得ない。
ところが大昔のグジャラートで、2人のジャイナ教徒がモスクを建てていた。
2月17日付ナブバーラト紙が、宗教というしがらみを超え自由に貿易を操った2名の先人について紹介した。
グジャラートは特に英領からの独立後、しばしば最悪な社会的暴動の舞台となってきた。
ところが時空を超えると、1178年から1242年にかけ、この地で事業を営んでいたジャイナ教徒の実業家、ジャグドゥーシャ兄弟(ヴァスツパルとシェート)は、外貨を獲得するためにアラブ商人やトルコ商人を積極的に招き、取引を増やそうと試みる先見の持ち主だった。
そして、こうした諸国からやってくるイスラム教徒にとって欠かすことのできないモスクの建設に、最も早くから着手していたというわけだ。
ジャイナ教徒は商売上手としてよく知られているが、歴史家のマクランド・メヘタ(Makrand Mehta)氏によれば、兄弟は同州カッチ地方でそれぞれ税関職員や実業家として成功していた。
「グジャラートへのイスラム教徒たちの定住と、その後の同地方の繁栄は、2人の努力に由来するものに他ならない」と説明する。
翻って現代のグローバル化社会においてなお、ここまでの柔軟な考え方に徹したビジネスができるインド人は、いまだ数えるほどしかいない。