
(photo from IBN)
20日までムンバイで開催中の映画祭「第13回ムンバイ・フィルム・フェスティバル(13th Mumbai Film Festival)」を日活の杉原晃史版権営業部門長が訪れ、メディアのインタビューを受けている。
10月19日付ナブバーラト紙が報じた。
近年、世界中で公開されるようになったインド映画だが、その中に日本だけはなかなか入ってこなかった。
「ムンバイ・フィルム・フェスティバルへの出席、そしてインドへの訪問ともに初めて。インド映画がほとんど日本に入ってきていないことを改めて残念に思う」
杉山氏は語った。
「今回は映画の購入はなかったが、(今回の訪印は2010年タミル俳優ラジニカーント主演の)『ロボット(Robot)』の評判を聞きつけて、もっとインド映画に注目しなければならないと考えてのことだった。例えばこちらへ来る前は『ラーワン(RA.One)』や『スリー・イディオット(3 Idiots)』という映画についても噂を聞いた。中でも『スリー・イディオット』は日本以外の全アジア諸国で公開された。このことが関心をかきたて、インド人映画製作者数名とも面会した」杉山氏。
杉山氏はこうした「ニューエイジ」系映画を日本で公開することに意欲を持っているという。
「震災以降、日本の消費者は消費の対象に対して一層厳しい目を向けるようになってきている。インド映画の本当のよさを分かってもらうためには、どの作品を日本に持ち込むかを熟慮しなければならない」と話した。
インド映画に対する情報量が少ないことから、日本人がインド映画に関心を持つことはほとんどない。
「日本人はインド映画に対し、どの作品も喜劇的で、作中では突然歌や踊りが始まり、内容もほとんど同じというイメージを持っている。これがバイヤーを遠ざけ、年間2、3本が公開される以外はほとんど注目されていない。新しいタイプのインド映画をもっと日本人に紹介したい」と話す杉山氏は、フィルム・フェスティバルでもプロデューサー数名と懇談した。
共同制作の可能性について訊ねられた杉山氏は「来年の日活100周年記念企画では、外国映画の購入ほか、ハリウッドとの共同制作を計画しているが、インド映画との共同制作についても視野に入れていきたい」と話した。