インド出身英国人のスマ・チャクラバルティ(Suma Chakrabarti)さんが、ドイツ人のトーマス・ミロウ(Thomas Mirow)さんを継ぎ、旧東側諸国や旧ソビエト連邦諸国の経済支援を目的とする欧州復興開発銀行(European Bank for Reconstruction and Development:EBRD)の新しい頭取として就任した。
チャクラバルティ氏は英国法務省の常任理事も務めており、今回の頭取就任は前任のミロウ氏も含む4名の候補者の中から、同行取締役63名による大半の投票を集めて選出された。
同行によればチャクラバルティ氏の任期は7月3日から4年間となっている。
これまでドイツ人とフランス人により交代で務められていた同行頭取の椅子に、インド系としてはもちろん、イギリス人としても初めて収まることとなったチャクラバルティ氏は、1969年に西ベンガル州ジャルパイグリ(Jalpaiguri)で生を受けた。
1984年に留学先のサセックス大学(University of Sussex)経済学修士課程を終えてからは、英国海外開発局(British Overseas Development Administration)に入局、その後、リンダ・チョーカー(Lynda Chalker)前海外開発担当国務大臣の秘書となったことをきっかけに、2002年に海外開発庁の常任理事に昇進した。
2007年11月より現職を務め、さらに国際通貨基金および世界銀行では英国政府代表も務めている。
今回の就任について、「非常に光栄に思う。また(前頭取の)ミロウ氏の築いてきた偉業をしっかりと継いでいきたい」とチャクラバルティ氏は述べた。
EBRDは1991年、ベルリンの壁崩壊から2年目を機に、発展が急がれた中央および東ヨーロッパ諸国、そして旧ソビエト連邦諸国の復興と開発のための、自由経済化と民主化を支援することを目的に設立された。
同行は現在のテーマとして、アラブ諸国の民主化や、危機的状況にある南および東地中海沿岸諸国の成長の支援をも視野に入れていくことを検討している。
現在、欧州連合および欧州投資銀行、そして63カ国が加盟し、信用格付けでトリプルA(AAA)の優良な経営状態とされている同行では昨年、90億ユーロ規模の基金を集めた。