
スウェーデンの大手家具メーカー、イケア(IKEA)グループは今後3年間で、南アジア地域からの製品輸入額を現在のほぼ2倍にあたる20億ユーロ(1.31米ドル)に拡大し、また同グループがインド国内にも小売店舗を展開できるよう、インド政府に投資規制の緩和を求めていることを、同社代表が20日、報道陣に明かした。
既に全世界での店舗総面積は25万平方フィートに達するイケア。
南アジア地域においては綿織物や敷物、プラスチック製品を80社のサプライヤーから供給する大きなバイヤーの1つに入り、今後は食器やポット、鍋類の調達も考えている。
同グループはインドへの小売店舗進出に意欲があるが、国内に提携会社を置くこと、その合弁会社の株式保有は51%に限ること、といった投資規制が同グループの海外事業展開方針に合致せず、阻まれている。
同社ミカエル・オールソン(Mikael Ohlsson)最高経営責任者はインドのアナンド・シャルマ(Anand Sharma)通商大臣と先週、デリーで会談し、規制の緩和を訴えた。
オールソン氏によればイケアではその海外事業について、本社が大きく経営に関与する方式を採っており、「合弁会社に委ねるビジネスモデルではない」という。
オールソン氏によればシャルマ大臣は、政府としても規制の在り方を見直すと前向きに応じたと言う。
しかし「我々には根気はあるが、それほど待てるものでもない」オールソン氏は漏らしている。
インド政府としては、大規模海外小売店の参入を許すことは、国内の小規模家具販売業者らに不利な状況をもたらすという懸念がある。
これに対しオールソン氏は、「インドのように急速に成長し、都市化がまさに始まったばかりの国において、低価格な家具やインテリア販売に対する需要は甚大である。イケアと既存の業者らとの共存は十分可能だ」と話す。
インド通商省は現在のところ、本件についてのコメントを控えている。
与党であるコングレス党(Congress Party)は小売、保険、防衛といった成長分野を含む外国投資の規制緩和に取り組むと約束しているが、これまでのところ草案を分析した審議文書の回覧のほか、具体的な動きはない。
9%近い経済成長を遂げているインドへの参入を目論む外国企業にとって、数ある障壁の中でも、外国投資額の上限は大きい。
その他にも、一部分野では税金の監督などの政策方針が合併吸収を妨げているほか、不安定な電源供給、ひどい交通渋滞、穴だらけの道路といったインフラ面の問題なども立ちはだかる。
非公開会社であるイケアは、大学生から中流家庭の主婦まで幅広い顧客層の支持を集めており、近年は新興国で急速に店舗数を伸ばしている。
例えば中国では既に10店舗が営業しており、北京や上海でさらに数店舗を開業する計画を立てている。
現在38カ国で317店舗を展開する同グループの昨年度の売り上げは215億ユーロに達した。
一方、インドの小売家具市場は、年間の販売額が3800億ドルと試算されており、膨大な機会が潜在することを示唆している。
うちほとんどが家族経営などの小さな店舗で、「組織化されている」のはわずか5%とされている。
オールソン氏はインド政府に、同グループの小売店舗展開により、店舗に限らず、サプライチェーンを通じた数万単位の莫大な職業機会を創出できるという点もアピールする。
実際、同氏は政府関係者に対し、同グループは次の5年間で1億2500万ユーロを投資し、ユニセフや国際NGOセーブ・ザ・チルドレンなどと協力して、綿栽培における水資源の効率的利用や児童労働の撤廃を含む、インドにおける社会開発イニシアチブの展開を予定していると話している。
オールソン氏は同グループの小売業務が実現するかしないかに関わらず、インドからの供給は増やしていくと話しているが、長期的な目標はやはり店舗展開であると語る。
「(魅力的な市場であるインドへ)進出しないのはどうかしている。当グループの進出は既に決定しているが、状況が安定するまでは見守っている状態だ」
原文:IKEA Seeks an India Opening