インドが誇るイノベーションの真髄、「ジュガール」がここにも。
インド工科大学(IIT)の学生が、維持コストのかからない太陽電池式冷蔵庫を開発、農産物の廃棄削減を目指している。
開発に取り組んでいるのは、IITカラグプル校機械工学部のヴィヴェク・パンデイさんが率いるチーム。
「Ecofrost Technologies」と命名された、この小型冷蔵貯蔵庫は、カルナータカ州の農地で1年間に渡って実際に試験導入され、実用化に向けた大きな一歩を踏み出している。
パンデイさんによれば、この太陽電池式冷蔵庫は、維持費が全くかからないという点において世界で初めての発明であり、現在その技術に対して4件の特許を申請中であるとしている。
パンデイさん率いる同大学の研究生たちは、来月より予定されている生産開始に向けて、最後の調整を行っている。
当初5年間に渡り年間2万台の生産を見込み、プネ近郊の生産設備を確保している。
通常の庫内冷蔵メカニズムと平行して稼働する、特別に設計された貯蔵温度調整機構の働きにより、2.5〜3.5ワット程度の太陽光発電により、主に農産物の貯蔵寿命を延長することに成功した。
さらに従来型の太陽電池式冷蔵庫と異なり、2〜3年で高額な交換を必要とするバッテリーの代わりに、36時間分の電力を蓄えることのできる蓄熱ユニットを備えているため、曇りや雨の日でも問題なく稼働できるとしている。
インドでは毎年、適切な貯蔵庫がないことを原因として、農産物の実に30%が消費されないまま廃棄されていると試算されている。
パンデイさんたちは、この冷蔵貯蔵庫を広く普及させることによって、農産物の無駄を省き、農業従事者の生活向上に貢献していきたいと話している。