古来より降雨量が少なく、水が貴重なものとされてきたジャイプールの敬虔なヒンドゥ教徒らは、シバ寺院に安置されたリンガ(シバ神のシンボル)を、できるだけ大量の水で洗い清めることを、神への最高の敬意を示すことと信じている。
モンスーン期には50万リットルもの水が「清め」に使われ、ただただ地に流れていく、慢性的な水不足に悩む同市にとってはシバ神ならずとも腕を組んでしまう状況となっている。
さらに、こうして寺院から流れ出した水とミルクが悪臭を放ち、「神聖な場」が蚊や蝿の格好の繁殖地になってしまっている。
そんな中、占星術を生業とするプルショッタム・ガウール(Purushottam Gaur)さん(41)は7年ほど前から、リンガの下部に穴を掘って、注がれた水やミルクが別々に井戸などに集まるような仕組みを作り、水については農業用水として活用するという試みを行っている。
工費として寺院が必要とする支出は、わずか2,500ルピーということだが、ガウールさんの職業柄、当初は聖職者らから「知名度を上げるためでは」と煙たがられ、なかなか協力を得られなかった。
しかし辛抱強く努力を続けた結果、今では市内250箇所の寺院を説得することに成功した。
地球温暖化が深刻な課題となっているだけに、ガウールさんの試みは、シバ神もきっと、評価しているに違いない。