インドは初の国営火星ミッションに、本日見事、成功した。
火星探査船「マンガルヤーン(Mangalyaan)」が本日インド時間早朝、火星軌道に無事入った。
このミッションの要は、マンガルヤーンがインド独自の技術を投じ、米航空宇宙局(NASA)主導のミッションで用いられている最先端の火星探査船よりも、かなり予算を抑え、しかも短期間に構築された点にあり、成功すれば世界の宇宙開発史上、稀に見る特筆すべき功績であると期待されていた点にある。
具体的には「マンガルヤーン」の打ち上げ直後、米航空宇宙局(NASA)でも6億7100万米ドル(およそ671億円)の費用をかけ、火星探査線「マービン(Maven)」が打ち上げられた。
しかし、インドのミッションには、昨年のハリウッド大ヒット作「ゼロ・グラビティ(原題:Gravity)」の制作費用とされる1億ドル(100億円)すら下回る、およそ8000万ドル(80億円)で済み、「最先端技術に関して世界で最も高い費用対効果を実現することを追求して来た、インド工学技術の勝利」(バンガロールのジャワハルラール・ネール高度科学研究センター所属科学者ロッダム・ナラシンハ氏談)となった。
ミッションを担ったインド宇宙研究機構(Indian Space Research Organisation:ISRO)では、ナレンドラ・モディ首相とともにマンガルヤーンの火星軌道突入を見守った。
「インドがまたひとつ、歴史に足跡を刻んだ。全世界で51回の火星ミッションが遂行され、うち成功したのは21回だった。すべて『インド製』の火星探査ミッションに、我が国が成功した意義は非常に大きい」モディ首相は科学者や技術者らをはじめとする関係者の功績を称えた。
現地紙では、火星探査ミッションの難しさを、日本や中国の失敗を例に挙げて詳細に説明している。
無人衛星を搭載したロケットの大きさは15階建ての建物に相当し、重量は320トンと、「大人のゾウ50頭分」と例えていたのは、インド紙ならでは。
マンガルヤーンはこの後、火星表面に迫り、生命の兆候があるかどうかを調査することになっている。