チェンナイで、車内に無線LANルーターを設置して走っていることで有名なオートリクシャーがある。
乗客が乗り込むと、ユーザー名とパスワードが大きく表示されており、すぐに手持ちのデバイスをインターネットに接続できる。
さらにこのオートリクシャーには、タブレット端末とテレビ、そして新聞や40種類以上の雑誌をストックしたミニ・ライブラリーまである。
また携帯電話の充電、携帯電話用プリペイドカードの販売、また衛星放送受信料の支払いができるほか、毎月1名に1000ルピーが当たるクイズのの実施までしている、究極の「エンターテインメント・リクシャー」だ。
ファンらは現在公開中で人気沸騰の映画のタイトルになぞらえ、このオートリクシャーを親しみを込めて「チェンナイ・エクスプレス(Chennai Express)」と呼んでいる。
このオートリクシャーを運行しているアンナードゥライ(Annadurai)さんは、父の代からの2代目稼業。
月収2万5000ルピーのうち3分の1を、顧客の利便性を向上するために費やすることを惜しまない。
「お客様は本当に神様だよ。それだけの理由で投資してるんだ。ご満足していただけた時には、そりゃあ天にも昇る心地さ」アンナードゥライさん。
この言葉通り、利用客からの評判は良好だ。
「オートリクシャーに乗っている気がしない。まるでエンターテインメント・ショップにいるようだ」ソフトウェア技術者をしており、通勤の足に必ずアンナードゥライさんのオートリクシャーを呼ぶという、ある乗客。
こうしたハイテク設備で顧客満足を提供していることに加え、アンナードゥライさんは「教師の利用は無料」というルールを設定している。
「医師も、技術者も、そして大統領も、成功を手にできた元は教師のおかげだ。だから教師には格別の尊敬を抱いているのさ」アンナードゥライさん。
アンナードゥライさんの将来の夢は、高齢者のためのホームを建てることだという。