デルタ航空の爆破未遂事件で世界が戦々恐々とする中、ジャイプル国際空港では25日夜、パスポート、ビザ、航空券、荷物、そしてありがたいことに爆発物のいずれも持たず到着した男が入国管理官に取り押さえられた。
12月27日付ナブバーラト紙が報じた。
逮捕されたのは、ウッタル・プラデーシュ州モラダバード出身の24歳の男。
出稼ぎ先であったサウジアラビアのメディナ空港でポーターとして働いていたが、メッカ巡礼を終えインドに帰国する乗客243名に紛れ込んでエアインディア特別機に滑り込み、始終トイレの中に隠れて「無賃搭乗」を遂げたというわけだ。
同機は25日午後8時35分ごろ、ジャイプルに到着した。
男は本来、こんな形で夢が潰えるとは思っていなかった。
豊かなアラブ諸国への出稼ぎが決まり、夢と希望を胸いっぱいに託してメディナ行きのフライトに「正規乗客として」乗り込んだのは今年3月。
ところが事前に約束された仕事は得られない代わりに羊番として働かされ、異論を唱えるとパスポートを隠され逃げられないように仕組まれたという。
何もかもに失望し、ただ望郷の念を募らせていた男は、25日朝からメディナ空港のポーターとして転属されるやすかさずインド行きの飛行機を特定、隙を見て滑り込みトイレの中に隠れるという「大きな賭け」に出たという訳だ。
エアインディア側の責任も追及されている。
開かずのトイレに不信感を持ったフライトアテンダントもいたが、「ノックすると中から『お腹を壊している』という回答が返ってきたので」といういかにも呑気な対応だった。
現在、エアインディア側では事件に関するコメントを一切控えている。
男には旅券法等違反の容疑で5年の懲役と5万ルピーの罰金が科せられる。