BANGALORE:
ソフトウェアセクターが牽引するIT産業で、今会計年度下半期における賃金の上昇や離職率の緩和傾向が見られている、インド最大のソフトウェア会社、タタ・コンサルタンシー・サービシズ(TCS)を率いるラマドライ(Subramanim Ramadorai)氏が明かした。
同氏によれば、高い技術を習熟した人材の増加を反映し、需要と供給のバランスが取れつつあり、賃金と離職率の上昇は横ばいになってきているという。
国内総生産(GDP)のうち、現在4パーセントを占めているインドIT産業について、ラマドライ氏は、
「ルピー高と操業コストの上昇が懸念されていますが、国内のソフトウェア・ベンダーは、たとえ賃金が2010年まで毎年10~15パーセントの割合で上昇し続けたとしても、先進諸国のそれの3分の1に留まり、当面、グローバル市場の中でも競争力を維持し続けるでしょう。」と説明する。
同時に、インドIT産業全般において課題となっている、長期間に渡る人材資源の構築について、教育システムを改革するためには「現状維持」の考え方を変えねばならないと同氏は述べている。
例えば、教育のデジタル化(オンライン化や遠隔教育の実施など)によって、農村部を含む若者たちに、高等教育や専門コースを廉価で受けられる機会を提供することで、製造やサービスセクターへの安定した人材プールが確保されることになるとしている。
「技術者は、IT業界でだけなく、今後はIT以外のセクターでも需要が高まると見られています。需要と供給とのギャップを埋め、見込みのある人材を確保するために、TCSでは、大学で科学系の履修を行った学生を採用し、7ヶ月間のソフトウェア技術研修を行っています。情報技術と科学を合わせた卒業者数は、毎年300万人に上ります。当社のような取り組みを、全インド的に行うことによって、情報技術系卒業者が、ソフトウェア業界以外のセクターでも活躍できる機会を広げ、産学双方にとってのメリットとなると期待しています」と述べた。
また深刻化しているサブプライム危機が、米からの受注が大部分を占めるインドソフトウェア産業に及ぼす影響については、「米のみならず欧州、ラテンアメリカ諸国、環太平洋諸国からのビジネスが順調に伸びており、特筆すべきものではありません」と付け加えている。